2020年 11月 22日
正直言って、2013年にニンテンドー3DSで発売された『ルイージマンション2』は個人的に期待外れだった。初代『ルイージマンション』の難点だったボリューム面は大きく改善され、舞台となるマンションも複数用意、「ストロボ」の追加でオバケとの戦闘がスムーズに立ち回れるようになるなど、良い所もあったのだが……。 ミッションクリア方式への変更による探索要素の希薄化、ミッションひとつの攻略に要する時間の異様な長さ、そしてチェックポイントがないためにミスすれば問答無用でミッションの最初からやり直しになる、携帯機向けのゲームらしからぬヘビーな仕様が残念極まりなく、心の底から「こんな続編望んでない!」と言いたくなる1本だった。 なので、3作目の『ルイージマンション3』に対しては不安の方が勝った。開発も前作に引き続き「Next Level Games」が担当するとなっては尚更。ただ、E3のツリーハウスなどで紹介された映像から、前作最大の難点(チェックポイント周り)は大きく正され、探索要素も復活しているのが確かめられたので、今回も発売日買いを決め込むに至った。 ようやく待ちに待った正統進化系のルイージマンションが出た! そんな思いでいっぱいになった傑作でした。 紛うことなき”三度目の正直”を成し得た快作とも言える。 特に前作のミッションクリア方式、初代の探索方式の良い所取りとも言える本編の構成が見事。高層ホテルという舞台設定だからこそ成し得た、非常に巧みなまとめ方になっていた。確かにマンションなのにホテルとはこれ如何になツッコミどころはあるが、探索方式特有の広いマップを歩き回る楽しさ、ミッションクリア方式特有の目的意識の持ちやすさとアッと驚くネタを沢山注ぎ込める強みを活かせる舞台としては、この上なく適切。「面白ければなんだってアリなんだよ!」という、とても良い勢いを感じられて、最終的には”気にしたら負け”な思いとなりましたとさ……。 実際、今回の何でもありっぷりは凄かった。どの階層(フロア)もホテル内という設定を完全に無視しているのが痛快。なので、次はどんな場所が舞台になるのか……と、ワクワクしながら進めていける。それらフロアごとに特有の仕掛け、イベントを設ける工夫も完璧。この辺の作り込み具合は前作屈指の魅力でもあったが、今回も健在どころか、よりバリエーションが強化されていて凄かった。 中でも怪獣映画を撮るフロアは作中屈指の見所で、今回の何でもあり感の象徴になっていたように思う。ボス戦もまた然り。 今回は中型も含めて数が多めに加え、初代を想起させる人型オバケとの戦闘も結構用意されていたりと、シリーズの集大成とも言える内容にまとまっていたように思う。 戦闘に関しては、対オバケ用掃除機「オバキューム」のアクションにもオバケを叩きつける「スラム」の追加で、見た目の派手さが増したほか、爽快感も味わえるものになっていて凄く良かった。特にボスにこれを決め、ダメージを与えまくる快感たるや。何度か、クレイトスさん(By:ゴッド・オブ・ウォー)が憑依した気分になりました(笑)。 反動でオバケを吸い込んで倒す手応えが薄れたのは、それこそルイージマンションの醍醐味と豪語する人ほど否定的な感想を抱きそうに思えてしまったが。正直、過去作とは別のアクションゲームになった印象はそこそこに感じた。 また、オバキュームのノズル上下操作がリバース設定不可な点は地味にストレス。最終的に慣れればいいだけの話だが、できれば設定可能な仕様にして欲しかった。感度も中盤にある「ゴムボート」を操作するシーンを思うと余計に細かく設定可能であれば、と。あそこは今回の中で唯一、大きな難点と言い切れる場所だった。少し『スーパーマリオサンシャイン』の「泥舟」が脳裏を過ぎったというか。仮に失敗してもダメージを受けるだけと、そんなにシビアじゃないのがせめてもの救いだが、もう少し罠(具体的には機雷)の配置、カメラワークは一考の余地があったように思う。 他に謎解きも前作と同等ぐらいに手ごわく、今回は「グーイージ」なる第2のキャラクターと連携して行う場面も多々ある関係で、煩わしさが滲み出た箇所がチラホラあったのも気になった。ただ、今回は仮にゲームオーバーになってしまったとしても、それほど大きく戻されないのが本当にデカい。 前作でリトライ時に必要だった「黄金のホネ」はオヤ・マー博士のラボで購入のほか、複数ストックできるようになったし、セーブもドアを開ける度に自動で行われる仕様。何時間も費やした行いが水の泡と化す心配は全く持ってない。 さらに地味ながらストーリーもイベント量が増えて充実。内容はまたも復活したキングテレサを撃退し、マリオたちを助け出すというお馴染みのものだが、前作で説明不足だった箇所(なぜキングテレサが復活したのか、”彼”が捕まったのかなど)が今回はきちんと描かれるので、展開的に唐突さがない。何より、黒幕のポジションを新キャラクターが務めているのが個人的にはポイント高かった。 唯一、惜しいと感じたのはピーチ姫の登場か(およびヒロイン枠の確立)。 そこはデイジー姫にしようよ……。 ゴムボート、ノズル周りの操作、スラムの主張度合いなど、改善の余地がある粗はあるけど、総じて正統進化系とも言えるルイージマンション新作が出てくれただけでも大満足。今回は素直に期待以上、傑作と断言できる1本だった。ひとつのアクションアドベンチャーゲームとしてもかなり推せる。ゼルダ、メトロイドに並ぶ任天堂を代表するアクションアドベンチャーと言っても過言じゃない。シリーズ的にもこれまでの2作は、惜しい出来に落ち着くものしかなかったので、本当に満を持して……の感動がある。 前作から6年のブランクを経ての発売だったので、次回作はまた当分先になってしまうのかもしれないが、ぜひ今回の評価点を踏まえた更なる正統進化系、もしくは意表を突いた変化球に期待したい。あと、そろそろデイジー姫も出してあげて。
by box057
| 2020-11-22 23:30
| ゲーム感想 / 紹介
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