2017年 08月 05日
今年の三月に配信されたダウンロードソフトの新作は、他の進めているゲームとの兼ね合いとか、ゼルダを始めとする優先すべき新作と時期がバッティングする問題が生じた都合で、幾つかの見送りが出てしまった。
後に進めているゲームが落ち着いたのを狙って、その頃に出たゲーム数本を購入し直した…のだけど。その一本目となった『ブラスターマスターゼロ』は、探索型アクションのツボを盛大に押し間違えたレベルデザイン、ゲームバランスに個人的に大きな違和感と不快感を覚え、期待外れの佳作という評価に終わってしまった。 それに続く二本目として買ったのが、ブラマスゼロとほぼ同タイミングで、プレイステーション4で配信された3Dシューティングゲーム『Kromaia Ω(クロマイア オメガ)』。 こちらはどうだったのか…と言うと、同じことは二度あるだった。 広大な3D空間を飛び回って迫りくる敵を装備で撃墜しながら「ジャンプゲートパーツ」なるアイテムを全て集め、現れるボスこと「四神」を倒す。内容は至ってシンプルで、自機の移動や後退を手動操作する点に任天堂の『X(エックス)』を髣髴とさせる物珍しさ、懐かしさを感じるゲームだった。幾何学的なデザインで描かれたグラフィックも先の『X(エックス)』などに代表される90年代のポリゴン全開のグラフィックを採用した作品を思わせる雰囲気、独自性があり、唯一無二の世界観を構築していた。 しかし、ゲームとしては面白い以上に辛いが勝った。 それを際立たせたのが件のグラフィック。独特過ぎるが故に視認性が悪い。敵とその攻撃(ショット、ミサイル、レーザー)が”微妙に”判別できないように描かれてしまっていて、どこから攻撃が飛んでくるのかの判断がし難く、気付かない内に攻撃が被弾してダメージを受けることがほとんど。「当たったか!?」と思った攻撃が当たらないこともあれば、回避しただろうと思った攻撃が当たることもあったりと曖昧で、何度も何度も原因不明のダメージを受けてはゲームオーバーになる展開に見舞われ、強烈なストレスを感じた。こちらの回避手段も自機の位置をずらす以外に無いので(一つ、ワイヤーを放つ技があるのだが、使い勝手が悪過ぎる&癖があり過ぎる)、「間違いなく回避した!」という実感が得られない。更に敵は無限に湧き出てくる上、視界外に現れる事もあるので、不意討ちのようにダメージを喰らうことも。敵の動きも手動操作してステージを飛び回っていく仕様の関係上、まるで血を欲する蚊のように自機にまとわり付いてくるから、容易に振り払うことも叶わず。加えて、どれくらい距離を取っているのかもグラフィックの所為で分かり難く(※ただ、ボスに関してはその大きさもあって分かり易い)、離れてそうだから動かなくていいだろうと思ったら、敵と接触してダメージを喰らったりもする。それもあって大量の敵をしばく爽快感以上に疲労感が勝る感じ。こんなのの何が面白いのか…と。「なんとなく動いて、なんとなくやられる」の多さに不快感と憤りを覚えるだけだった。 特に視認性の悪さは度を越している。敵の攻撃だけでなく、プレイヤー側が行った攻撃も発射音こそなるけど、弾の描写がややボカされているので着弾した手応えが薄いのはどうかと思う。視点を一人称に切り替えれば弾の表示が明確になるだけ、まだ救いだけど、それでも敵の攻撃がこちらに来ているのかと言った距離感が分かり難いところがある上、敵が大量に出れば派手な爆発エフェクトでその位置が曖昧になるなど、それほど急激な改善に繋がらない辺りはモヤッとする。 難易度もこんな作りをしているから陰湿さすらある。ダメージ制の採用とチェックポイント、そして難易度選択機能の搭載もあって、クリア不可能なほどの酷くはないけど、楽しいと言うには程遠いバランス。視認性の悪さ、距離感の分かり難さから来る腑に落ちないダメージが続くのもあって、喰らう度に強烈なストレスが来る。 本編の構成も面白味に欠ける。基本的に4つのステージを攻略していくというものだが、どこも広いマップ上に配置された「ジャンプゲートパーツ」の回収をしていく事に終始するので非常に単調。そのパーツ回収も自機に表示されるコンパスの指示に従って、順番通りやっていくだけなので「やらされている感」が強い。パーツの配置にしても障害物を潜り抜けたり、特定のギミックを操作しないといけない嫌らしい類のものが幾つかあるのに加え、そういうのを無限湧きする敵をしばきながらやっていくのだから無駄に神経を磨り減らされる。極め付けが今作のエンディング到達条件。4種類の異なるアーマー(武器)で全4ステージをクリアする、つまり…本編を四周しなければならない。あまりにも作業的過ぎる。アーマーごとの特徴がはっきりしているので、同じステージでも違う展開になる変化こそありはするが、敵の出現パターン、ボスが変わることは一切無し。また、違うアーマーを使わせる事で難易度を上げるという安直な方針でまとめられているのもあって、微かに手抜き臭まで漂う。更にアーマーには一つだけ、単発仕様で発射する度にチャージ時間が発生する非常に使い勝手の悪い玄人向けなのが用意されているのだが、これでの全ステージクリアもエンディング到達において必須。はっきり言って、最悪の極み。ただの強要でしかないし、それで手応えを感じさせようとする意図が現れている所には猛烈な不快感を覚える。実際、それによって難易度は理不尽スレスレにまで悪化するし、全く面白さを引き立てる事に直結しない。何でまた、こんなにも安直な形にしてしまったのか。それぞれを使うと違いを出すような工夫を凝らさなかったのか。この程度の要素なら、普通に個々のアーマーの魅力が伝わるステージを用意するなりして欲しかった。 他にダメージ制に関しても、自機が耐えられるのは四発…しかも、回復アイテムの出現頻度が異様に低いだけでなく、ステージをクリアした後に全回復することもないから、酷い場合はあと一発被弾でゲームオーバーの状態のまま、次のステージを攻略し始めなければならない事もあるのが嫌らしい。これで全回復する仕様なら、多少は陰湿さも薄れていただろうに、そう言った配慮もしてない所に悪い意味での自己満足臭を感じる。 本当、ゲームシステムの骨組みと世界観は悪くないのに何でこうなってしまったのかと。上記以外にもチュートリアルがムービー方式でプレイヤーが動かす機会は無いどころか、一回でもボタンを押したら問答無用でスキップされてしまう、難易度ごとの違いはチェックポイントの数程度な所もイマイチ。 「四神を倒す」という謎めいたストーリーも、真相が明かされるのは最終ボスとの戦闘真っ只中で、それと同時進行する都合でテキストを読めば相手にボコボコにされる危険が増すから、見ない方が安全という始末。テキストの翻訳は概ね問題なしなのに、何でそれを読み難くしたのか。(※ちなみに日本語吹き替えボイスも無い) そんなこんなで…正直、人によっては駄作と言われても仕方がないかなと思える作品だった。幾何学的なグラフィックによって描かれた世界観、ブースト使用時のスピード感など、印象的な所もあるのだけど、悪い意味での制作者の自己満足臭が鼻につく。四周プレイを強要する構成も全く面白さに繋がってないどころか、余計にプレイヤーに苦痛を与える要素として働いてしまっているし、こんな有様だからスコアアタックをやり込む気持ちも起き難い。難易度選択機能などの最低限のフォローはあるから、全く遊べないことは無いけど、シューティングゲーム好きにお薦めできたものじゃないのは確か。この独特のグラフィックで描かれた世界観とストーリーが気になるのなら、やってみてもいいんじゃないのかな…と言った具合の作品だ。 ただ、先の通りにシューティングにおいてゲームの面白さと完成度を左右するファクター…視認性に関する配慮が甘く、目を皿のようにして画面に集中しないとまともに立ち回る事すら叶わないので、プレイするのならそこを覚悟した上で。(一応、掴めれば少しは楽しくプレイできるらしい。自分はラスボスを倒す最後の最後までサッパリだったが。) こうも三月に見送ったダウンロードソフトが立て続けにガッカリオチになったことから、同じくその頃に見送ったゲームで、先日にサマーセール繋がりで買った『88 Heroes』が心配。三度目の正直であって欲しいのだけど…果たして。
by box057
| 2017-08-05 23:53
| ゲーム感想 / 紹介
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