2016年 08月 31日
いよいよ旧作漁りの振り返り、最後の一本の紹介だ。最後を飾るのは、2014年の旧作ベスト5でナンバー1に君臨した『キャンピングママ+パパ』である。 ニンテンドーDS初期に誕生し、海外で爆発的なヒットを記録した『クッキングママ』。その派生作として誕生したのが今作だ。 ママシリーズにはかねてから関心があり、いつか何らかのシリーズ作を遊んでみたいと考えていた。そんな中、今作が選ばれた。理由はシリーズ唯一のアクションゲームである事と、スクリーンショットにゼルダの伝説シリーズを髣髴とさせる雰囲気を感じたから。また、他のシリーズよりも男の子向けな内容に見えた事も一因した。で、2014年の旧作漁りにて購入。そして、御盆休みが近くなる時期から本格的に攻略を開始した。 始める直前まではこう考えていた。ファミリー層をターゲットにしたゲームだから、ほのぼのとしたゲームなんだろうなと。 実際に序盤はその印象に合致する感じだった。 しかし中盤以降、全てが一変した。 星一徹の十八番たるちゃぶ台返しが炸裂したかの如く、豪快にひっくり返った。 これまで、全30本の印象に残った旧作達を紹介してきたが、今作は間違いなく不動のナンバー1に君臨する衝撃作…否!怪作と言えよう。 一体、誰が予想しただろうか!? 予想できただろうか!? できるものだったんだろうか!? ファミリー層向けのゲームと思われたものが、狂気のネタゲーだった事に! ゲーム内容はミニゲームをこなしたり、行く手を遮る動物等を回避しながら、見下ろし視点のマップを駆け抜けていくステージクリア型アクションゲーム。簡単に言えば、戦闘を取り除き、ステージクリア式にしたゼルダの伝説。基本的にはステージ上のマップを歩き、障害物等を避け、ゴールに居るママ、或いはパパの元に辿り着くのを目指す。そして、ママ及びパパから出題されるミニゲームを攻略する事でステージクリア。これらの事を繰り返しながら本編を進めていく。 そのシンプルで分かり易いゲームルール、簡単ながらも程好く歯応えのある難易度設定が秀逸で、ゲームを生まれて初めて遊ぶプレイヤーに優しい内容に仕上がってたのがとても印象的だった。特に難易度は絶妙の一言。単にクリアするだけならアッサリだが、最高評価を目指す攻略になると、そこそこ高度なテクニックが要求されるなど、優し過ぎず難し過ぎずの精密なバランスにまとめられているところに職人技を痛感させられた。本編のボリュームも充実しており、エリアごとにかなりの量のステージが用意されているほか、一部、高評価を獲得しないと解禁されない隠しステージまであるので、非常にやり応えがある。ミニゲームのバリエーションも多彩なほか、スコアアタックや発見されてないゲームを探し出す等のやり込み要素も完備。意外と長く遊べる作りになっている。他にも温かみのあるドット絵で描かれたグラフィックも素晴らしいほか、操作も十字キー+タッチペンの簡単操作なので非常に取っ付き易い。ファミリー層向けな感じだし、ゲームとしての遊び応えは程々なのかな、という先入観があったけど、いざ遊んでみたら、それを良い意味で覆す密度でビックリ。予想外の満足感を得る事ができた。 だが、今作において一番予想外だったのが作中の世界観である。『冒険島』なる島にキャンプにやってきたママさん一家。プレイヤーは主人公で長男のリンゴとなり、ママとパパ、そして姉のイチゴと共に島の各地を探検しながら、様々なアウトドアを楽しんでいく…というのが大まかなあらすじとなっている。一見、非常に平和的且つ、ファミリー層に親しみ易い設定及び内容に見える。実際に本編序盤はそんな感じで、バーベキューをやったり、海岸や森の中を探検したりする展開が続いていく。 だが中盤以降、徐々に狂気が露わになっていく。 洞窟のステージで洞窟探検!…と意気込んでみたら、中では複数の毒蛇が徘徊しているだけでなく、各所で落石まで発生しているという危険地帯。こんな所を潜り抜けながら、ママさんの元へ行かなければならない。普通に考えて、キャンピング目的にしても探検していいような場所ではない。というか、立ち入り禁止区画じゃないの、ここ?!何でそんな所に入っちゃったの!?何考えてるの、ママさん!? 更に山のステージを探検すると、あちこちに竜巻が。 おまけにその行く手を邪魔するのは熊! 当然ながら、接触すればダメージを喰らう。 さすがに一発ミスとまではならないが、何で熊が居る場所の探検などするのか。 意味が分からない…。 別の山のステージでは、主人公のリンゴを狙ってピンポイントで雷を落としてくる黒い雲が登場する。それどころか、こんなヤバげな雲が複数徘徊する場所でママさん、花輪を作ろうとか言ってくる。お前は何を言っているんだ。 今度は森のステージを探検…と思ったら、そこには大型のイノシシが! 加えて道中には、毒ガスを撒き散らす花に魂斗羅流スプレッド弾を十字方向に撒き散らすゲリラ染みた花が咲いている。とてもキャンプに適した環境ではない。 なんだここは!? パンダはどこだ!?(いません) 挙句の果てに崖ステージでは、ラストに崖昇りをする事になる。 命綱?そんなの装着している訳が無い。丸腰だ。 更に昇っている最中に鷲が妨害してくるほか、岩まで落下してくる。当然ながら、触れればタイムロス。さすがにミス扱いにはならないが…それでも素で、この親は子供に何をさせているんだと突っ込みたくなるシチュエーションである。こんな死の匂い漂う場所で命綱無しで崖昇りとか、本当に何の目的でこのような事を。アイドル活動か!? 他にも大量のカバが待ち構える池を突破していくターザンジャンプ、月の輪熊と思しき巨大な熊との競争など、それキャンピングなのか…と突っ込まざるを得ないものが多数。また、ミニゲームの一部にもシーラカンスが釣れる池での魚釣りという謎めいたものが存在する。加えて先のミニゲーム、熊との競争、崖登りにせよ、最高得点を獲得すればママさんとパパさんからはこの一言が飛び出す。 「すご~い!ママ(パパ)より上手!!」 この親たちは何者だ。 現世に現れた羅刹か!?修羅か!? 或いは、何処かの軍の関係者か!?? …かくして、このゲームは2014年に買った旧作の中で、他の追随を許さぬレベルの衝撃を自分にもたらしたのであった。ゲーム起動時のデモが地味に長い(しかも、ボタンスキップ不可)、インターフェース周りのレスポンスが鈍い、一部ミニゲームの極端な温さと言った欠点が吹き飛んでしまったほどだ。 頭がどうにかなりそうだった。 笑顔の裏に潜む、恐ろしいものの片鱗を味わったよ。 このゲームを遊んでしまった事で、自分はママさんのニコやかな笑顔から狂気を感じるようになってしまいました。全米で大ヒットし、名実共にニンテンドーDS時代に生まれた新キャラクターとしての地位を確固たるものにしたママさん。しかしてその実態は、夫共々、息子と娘に戦士の極意を教え込む伝説の女豹だったのである。何故、シリーズが大ヒットを記録したのか。今となっては、その理由もよく分かります。こんなにパワフルなママさんなら、そりゃ全米をねじ伏せちゃいますよね、と。というか、こんな内容なら『キャンピングママ+パパ』じゃなくて『ブートキャンピングママ+パパ』の題名にしとこうよ…。
by box057
| 2016-08-31 23:15
| ゲーム感想 / 紹介
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