2016年 06月 04日
『Shadow of the Beast(シャドー・オブ・ザ・ビースト)』がエンディングを迎えた。 この圧倒的尖りっぷり! イタズラなゴリ押しを許さぬ緻密なゲームバランス! 魔物も人間(女性)も行く手を阻むのなら容赦なく惨殺し、時に捕食して体力回復まで行う、問答無用・無慈悲、モニターにまでベッチョリ染み付く苛烈な出血・暴力描写! 煩わしいほどに鈍いけど、噛めば噛むほどに味が出る操作性! 数は少ないけど、やり込み甲斐のあるステージ! ムービーだけでは、流れがまるで分からないストーリー! そして、露骨過ぎるプラチナゲームズへのリスペクト! 最高にロックな魂に溢れたアクションゲームでございました。 難易度選択機能にプレイヤーのアップグレードなど、昨今の流行りに準じた救済措置を乗せつつも、90年代の海外製ゲームが持っていた、灰汁が強くて「むせる」空気感と遊び応えを前面に推し出す事に徹した作りたるや、まさに唯一無二!ある程度は時代に倣うが、俺らはこの方向性で行く!何が何でもだ!…という製作者の確固たる意志が現れた出来で、野心作という評価がこの上なく似合うゲームでした。 特に癖は強いけど、やり込むにつれて大胆且つ、華麗な一撃を敵に仕掛けられるようになっていく攻撃アクション全般とゲームバランスは実に巧みでございました! 最初はその鈍い操作感もあって上手く動かせず、背後から「斬り捨て御免!」されたり、酷い時だと袋叩きにあって追い詰められたりして、もどかしさを覚える一方だった。けど、どの敵が自分に最も近いか、次に誰が攻撃を仕掛けてくるかを先読みできるようになると、ほとんど無傷で切り抜けられるようになっていって。更にカウンターや防御等のアクションを仕掛けるタイミングも分かってくると、より大胆且つ、スピーディで正確な立ち回りもできるようになり、画面上のアーブロンが華麗な動きを見せるようになる。 その上達によって、どんどんスムーズに攻撃が仕掛けられるようになっていく過程がまた面白くて、面白くて。癖の強いアクションを特色とする作品ならではの上達の楽しさ、やり込む面白さを徹底的に追求した作り込みとバランス調整の緻密さには本当、唸るものがあった。ちゃんと上達した事が『ブロンズ~プラチナ』のメダル取得という結果として返ってくるようになっているのも素敵。システム的にはモロにプラチナゲームズのゲームをリスペクトしたものだけど、単に拝借したのではなく、こう言った作りだからこそ一層映えるという、ゲームの魅力を深める意図で導入してたのも見事だった。 あと攻撃、防御、カウンターを仕掛けるタイミングがギリギリだと『PERFECT』判定になり、スコアの倍率が急上昇するボーナスが入るようになっているのだけど、この寸での所を突く緊張感と倍率を途切れさせない為、ダメージを喰らわぬよう立ち回る感覚がニンテンドー3DS屈指の傑作『Shinobi 3D』に非常に近く、同作が大好きな人間には「Shinobiの魂を受け継ぐ2Dアクションが現れた!」という興奮にも近い感動を覚えた。 ▲完璧なプレイを重ねれば、これだけのマナ(ゲーム内通貨)が! 何気にそのカウンターを仕掛けるタイミングがゲーム中、可視化されてるのも親切。基本的に敵の攻撃武器(主に剣など)が光ったタイミングで仕掛ければ『PERFECT』が取れるので、目を皿のようにして敵の攻撃を見る必要もなく、(逆転裁判のみぬくの如く)「ここだ!」って感じにボタンを押せば簡単に仕掛けられる。 だが、光った所で押せば確実という訳では無く、光ってからコンマ0.5秒ぐらいの間を取ってからないと決められなかったり、敵によっては光る瞬間が極端に短かったりするので、パターン化させるには相当な修練が必須。何より、下手に狙い過ぎると、自分自身がダメージを受けて追い詰められてしまうので、常に強烈なリスクが伴う。それを踏まえてハイスコアを獲得する為、危険に飛び込んでミス無く攻め込み、時にボコボコにされる。 その感覚が本当に『Shinobi 3D』そのものというか。 また、中毒性のあるシステムを導入したものだなと、大いに唸らされました。 アクションとゲームバランスだけでなく、ステージの作りも良い。 最後に登場するボスを倒せばクリアという王道のものだけど、単に前へ前へと進んでいくだけでなく、謎解きが登場したり、巨大ロボットの暴走から逃げ回ったりなど、プレイヤーを戸惑わせる仕掛けとイベントが豊富に仕込まれているので、飽きさせない。ボスも真剣勝負もあれば、ギミックを使いこなして戦う変わったものもあったり、なんちゃってスターフォックスだったり、バリエーション豊か。ステージの数自体は少ないのだけど、少ない分、濃いネタを注ぎ込むというスタンスで作られているので、物足りなさは皆無。収集アイテム、隠しイベント等の寄り道要素が豊富なのと、高めの難易度もあって、「このくらいでいいのよ、このくらいで」と思ってしまう丁度良さが実にイイです。 グラフィックもPS4専用ソフトだけにある美しさだし、音楽も映画的な作風ながら、メインテーマを始め印象的な曲も幾つか。1989年のアミガ版『シャドー・オブ・ザ・ビースト』の曲で遊べるおまけも用意されているだけでなく、そのアミガ版自体も丸ごと遊べちゃう特典まで用意されてたりなど、至れり尽くせり。 ステージ開始前のロードの長さ、充実感はあれど全体的に短めのボリューム、ステージ5の冗長さとか、不満点も少なからずある。難易度に世界観、演出と、猛烈に人を選ぶ要素もたっぷり。ストーリーなんてムービーは幾つかあっても、台詞が読めないんで意味不明だし、詳細を知りたければ『マナ』を支払って特典のコンテンツを解禁しないとダメなど、そう言ったものだけを求めるプレイヤーを徹底的に突き放している。 ▲ムービーの会話シーン。台詞が意味不明で読めません。 (翻訳の禁書を入手すれば読めるようになる) ▲一連の流れは別途用意されたエピソードで確認。 (これも特定の条件を達成しないと見れない) そもそも18歳以上のみ対象(Z対象)のゲームなんで、万人に薦められるようなものとは断じて言えないのだけど、そのレーティングだからこその「俺はあえてこの道を行く!」な作風が全開で、唯一無二の遊び応えを堪能できるゲームになっている。 あえて言うけど、PS4を持っている方なら是非とも…なんて薦め方はしない。 万人受けするものではない。 猛烈なまでに人を選ぶ! アクションゲームが苦手な人に至ってはもっとお薦めせん! 過度な暴力描写と出血描写が苦手な人なら、尚のこと! 18歳以下に至っては論外だ! PS4をお持ち且つ、アクションゲームが好きで、「むせる」ほど濃くて唯一無二な世界観を堪能したくば…行くべし!『Shinobi 3D』に代表されるような硬派なアクションゲームが好きな方も行くべし!90年代の海外製ゲームに対してアレルギーを持ってなければ、迷わず行くべし!けど、購入にはクレジットカード(或いはVプリカ)必須なので注意! この20世紀と21世紀の魂を宿した狼藉たる獣の生き様を見よ! 併せて、『ALIENATION(エイリアンネーション)』もどうぞ!7月3日までの間に今作を購入すれば、40%オフで買えちゃいますよ!(逆もOKなのですよ) ◆備考リンク ≫Shadow of the Beast(シャドー・オブ・ザ・ビースト)(プレイステーションオフィシャルサイト) ≫PlayStation Store | Shadow of the Beast(シャドー・オブ・ザ・ビースト)(商品&購入ページ) ※購入にはクレジットカード等が必須です。
by box057
| 2016-06-04 01:31
| ゲーム感想 / 紹介
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