2015年 02月 19日
イレギュラー過ぎる予定の発生と不規則な睡眠時間に悩まされる今日この頃。
そして案の定、エスコン3D+は購入に至れておらず。 それどころか、明日のオーダー1886まで怪しい状況。 もう、”チェンジアマゾーン”を考えるまでか。(若干、スパロボに毒されてる) 以下、先週に一段落したゲームの感想諸々。 ![]() ■キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲(GBA)※WiiU:VC 前作『サークルオブザムーン』からの進化と劣化が極端に現れた作品だった。進化としてはアクション全般。特にダッシュ移動のデフォルト化は素晴らしく、このおかげで『ロックマンX』ばりのスピーディで爽快感のある探索が楽しめた。 このアクションがデフォルトになったのに併せ、ボス戦も回避行動が取り易くなり、過去や後発の作品にも無いスピーディで目まぐるしい戦闘が繰り広げられたのも好印象。ドラキュラシリーズはどちらかというとスローテンポなアクションゲームだけど、今作はまさにそれとは逆の方向性を突き詰めたと言った感じで、作品としての個性が強く現れた内容になっているなと。後にも先にも、こんな初っ端からアクセル全開で始まるドラキュラ、自分の知る限りでは覚えが無いし、そういう意味でも凄く印象に残った。 ![]() 随所にて前作とは異なる部分でGBAの限界を突き詰めようとするこだわりが散見されたのも印象深い。多関節の巨大ボスが暴れ回ったり、処理落ちも無く大量のキャラクターが表示されたりなど、主にビジュアル面に集中しているが、どれもこれも初見時のインパクトが凄く、GBAでここまでインパクトのある演出ができる!…という、製作者の強い意気込みが滲み出ていた。前作が音楽のインパクトを重視したのとは対照的な作りだった辺りも、同じ所は目指さないという確かな意志というべきか、先のダッシュアクションと同様に今作としての個性を尊重しようとするこだわりが現れていて素敵だった。その演出を際立たせるドット絵によるグラフィックにしても、前作よりもやや劣化した所も見受けられど、背景やボスごとのデザイン等、気合の入った仕上がりで見事。地味ながら、初期のGBA本体の液晶の明度を考慮したのだろうか、全体的に色彩が明るめになるなど、プレイヤー視点に立った改善が図られていたのも印象的だった。とは言え、あれとは異なる液晶で作られたWiiUのゲームパッド、そして液晶テレビの画面で見た場合はちと、明る過ぎな感も否めなかったけど。そのせいで一部、アッサリし過ぎな背景(単色で塗り潰されているだけの背景)が露呈されてる所もあったし。この辺はまさに時代の産物、と言ったところなんでしょうな…。 その他、難易度も今回はショップ復活により、アクションが苦手な人向けにゴリ押しの余地が開いたり、『クイックセーブ』の導入でいつでもどこでもセーブが可能になる、『月下の夜想曲』を髣髴とさせる第二の舞台が追加されてボリュームが大幅に増強したのに加え、その月下の時の難点(第二の舞台への行き来が困難な所)も改善するなど、前作からの改善、過去の『月下の夜想曲』での反省が随所で活かされていたのも好感触。ストーリーもややアッサリし過ぎな所はあったが、シリーズとしてはワリと変化球な作りになってたのが面白かった。若干、前作のストーリーと被ってないか?と思うところもあったが。 難点はマップデザインがイマイチだった事。特にワープポイントの配置が非常に悪く、目的地を目指すのに異様に長い道を通る必要が生じたりなど、作り込みが甘かったように思う。施錠されたドアにしても正直、余計。それを開けるカギが隠された場所も普通に進めていくと確実に見落とすところにあるし、これは要らなかったのでは…と思ってしまった。能力強化アイテム『魔導器』に関しても、入手後にプレイヤーに性能を確認させる為の配慮が成されてないし、前作みたいに取得後の能力に関する説明が必要最低限なものになってしまってたのもマイナス。むしろ、ここは前作の時点で良く出来てたのに何で劣化させちゃったの?…と思った。月下の夜想曲に倣ったのかもしれないが…これは普通に失敗だったように思う。月下にも多少、そんな所があったからな…。 それ以外にもジャンプ時の挙動がゆったりし過ぎなどの違和感もあった。音楽も音楽で、前作のインパクト溢れる音源からPSG音源になって一気にインパクトが落ちたのみならず、肝心の曲も微妙なものばかりでイマイチ。こうも全編を通して印象的な楽曲が一握りしか残らなかったシリーズも珍しい…。雰囲気重視のコンセプトによるものだったのかもしれないけど、せめてそれなら同じく雰囲気を重視しながらも重要な所では外さない姿勢を貫き通したスーパーファミコン版の悪魔城ドラキュラに倣ってくれると良かったな…。 総じて、パワーアップはしたけど、劣化した箇所もそれなり…と言った感じで、進化系だけどそうとは言い難い、曖昧な作品になってしまっている気がした。面白かったけど、今回のは傑作というほどじゃない…良作な感じか。とは言え、アクション周りの個性の強さはシリーズ屈指で、その点では非常に印象深い作品だった。このスピード感を全面に推し出したドラキュラ、できればもう一作、遊んでみたかったな…。願わくば、探索型では無く、ステージクリア型で。2Dドラキュラシリーズを統括していたIGAさんがコナミから居なくなってしまった現状、それが望むに望めないのが惜しまれる限りだ…。 とにもかくにも、これで残るGBAドラキュラは『暁月の円舞曲』のみとなった。自分自身、暁月未プレイで続編の『蒼月の十字架』へと走ってしまったクチなので、その前日檀が語られたこれは何が何でもプレイせねばならない。そんな訳で、またバーチャルコンソールにて配信された暁には突撃させて頂きますぜ…。暁だけに。配信の時が楽しみだ。 ![]() ■ダークサイダーズ 審判の時(PS3) 間違いなく傑作と断言できる一本だった…けど、ゲーム自体は『ゼルダの伝説』のクローン(正確には『ゼルダの伝説 時のオカリナ』以降の3Dゼルダのクローン)。更にそこに『ゴッド・オブ・ウォー』、『デビルメイクライ』、『パンツァードラグーン』、『バイオニックコマンドー』、『ポータル』等のゲームの要素を取り入れているという、いわゆる寄せ集め。なので、ゲームとしては正直、真新しさを微塵も感じられない内容だった。 しかし、それらの要素がシステム、場面に応じて非常に効果的な使われ方をしていたのが見事。オリジナリティこそ皆無だけど、ゲームデザイン全体のバランス(調理具合)が絶妙で、製作者のセンスの高さ、各ゲームごとの特色をどれほど入念に検証したかという努力を感じさせられる仕上がりになっていたのには驚いた。普通に考えて、こう言った他作品の要素をひとまとめにすれば、何が遊びの本質なのか、方向性が見え難いゲームになってしまうのは明らか。特に何の考えも無しにそんな事をすれば高確率でそうなるのが容易に察せる。しかし、今作はそれぞれの要素を「こういう場面であればこの要素の面白さが映える」としっかり計算、検証した上でゲームに入れ込んでいる。戦闘で言えば、ゼルダのように基本は一対一だけど、そこにゴッドオブウォー、デビルメイクライの集団戦と激しいアクションを取り入れる事によって、原点たるゼルダとは一味もふた味も違う緊迫感を描いているし、フィールドに関しても『パンツァードラグーン』のようなシューティング要素を取り入れる事で、レベルデザインに大きな起伏を作る事に成功している。そして、『バイオニックコマンドー』と『ポータル』に関してはダンジョン内の謎解き要素の一つとして収めており、それぞれの魅力が余す事無く発揮されているし、そのような要素を取り入れる事によって、風変わりな謎解きと緊迫感に溢れた戦いを楽しめる土壌を作り出している。こう言った工夫と過度に自己主張し過ぎないバランス感覚の元で作られているので、どれもこれもしっかりゲームとして面白いと感じられるものに仕立て上げられているし、ちゃんとそれぞれのゲームから拝借したなりの理由、そして敬意を示している。そんな作り込みが成されていた辺りには、元のゲームに対する愛情の深さを感じられて、これで単なるパクリと称してしまうのは失礼千万だよな…と思ってしまうほど、感心させられた。基本、他のゲームからの拝借って悪く見られがちであり、個人的にもその手のゲームに対しては基本、厳しい目で見てしまう所があるけど、今作は本当に全体のバランスが凄くよく、しっかり考えた上で作っているのがヒシヒシと伝わってきて、これはアリ!と思える内容だった。ここまでオリジナリティが皆無である事が魅力であると言えるゲーム、なかなか珍しいように思う。 また、ビジュアルやフィールドデザイン、ボリュームにしても素晴らしい仕上がりだった。ビジュアル、世界観周りに関しては魑魅魍魎が徘徊する崩壊した現代世界という事で、ファンタジーと現代の要素が程好く絡み合った描写が凄く新鮮だったし、自然の残る地など、暗い世界観なりのバランスを取る作り込みも散見されて、強く印象に残った。あの地下鉄を舞台にしたダンジョン『空洞』のビジュアルは本当、秀逸だったと思う。今作のチーフデザイナーは漫画家というけど、それも大いに頷ける仕上がりだ。 また、それらの個性的な描写が成されたフィールド全体の作りも秀逸。特に構成が上手く、ダンジョンまでの道筋に激しい戦闘があったり、時にはシューティングシーンが始まったりなど、至れり尽くせりというに相応しい完成度を誇ってた。メインのダンジョンにしてもゼルダシリーズへの影響が強く現れた素晴らしい出来。謎解きに戦闘と、どれもこれも非常にバランスが良いだけでなく、変に複雑な謎解きも無いなど、風のタクトやトワイライトプリンセスを参考にして作っているという事をヒシヒシと感じられる出来だった。ボス戦も少し一捻り入れた作りになってて見事。あの『ワンダと巨像』が脳裏を過ぎった巨大ワーム、スティジアンとの戦いはもう一度、戦ってみたいなと思うほど強烈でした。 その他、操作性も概ね良好で、ロードもゲーム開始時以外に長い類のものは無し、セーブは好きなタイミングで可能など、サポート周りの行き届いた配慮も素晴らしかったし、カメラワークもベースはゼルダという事で変にぐるぐる回ったりする事が無かったのも好印象。ボイスが全編吹き替えであるなど、凝ったローカライズが成されてたのも良かった。洋画の吹き替えを主とする声優陣で固めたキャスティングもなかなか良かったと思う。 結果的に欠点として残ったのはストーリー。所々、説明不足な所があるのに加え(エルダーって何だったの?破壊者はどうして人間界を支配してたの?…とか)、唐突な展開も多くて途中から状況がよく分からなくなり、結局、よく分からないまま終わってしまった。最終目的、黒幕の正体などは概ね理解できたし、別に日本語訳がおかしかったとか、そういう事は一切無かったのだけど、もう少し分かり易くまとめられなかったのかな、と。何というか、日本と海外の温度差(特に伝承に関する部分など)を思い知らされる内容ではあった。良くも悪くも。あと、アメコミ調であるが故にキャラクターデザインも相当好みの分かれるものだった気がした。主人公のウォーとか、悪人面な上に見た目もゴツいし。おまけに女性キャラクターもそんなに居ないし、人によっては拒否反応すら覚えるだろうな…と。 他に細かい所で二段ジャンプの挙動に違和感がある、回復の機会が妙に少ない、ヴァルグリムの店でフリーズが頻発する(3~4回遭遇した覚えがある)などもあったが、全体的にはアメコミ版のゼルダの伝説というに相応しい、既視感溢れる作りとセンスの高さが現れたゲームで、非常に満足度の高い内容だった。オリジナリティ皆無の作りでありながら、ここまでゼルダの伝説そのまんまである事が最大の売りとして言い張れる傑作も凄い。当初の印象を大きく上回る、非常に面白いゲームでした。御馳走様です。 何気に続編『ダークサイダーズII』も日本では発売済みなので、チャンスがあったらそちらも触れてみたいところですな。 ほとんど今作とは別ゲームと化していると聞くけれど。 でも、今はそれより先に本家ゼルダ(ムジュラ3D)を買うのが先。 そちらが落ち着き次第、探させてもらうぜ。 買うのが6月頃なので、夏かそれより先になるかもしれないけど。
by box057
| 2015-02-19 23:46
| ゲーム感想 / 紹介
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