2012年 11月 17日
色々書きたい事があったので、単独記事で感想を。 ≪シミュレーションRPGとしての出来具合≫ 正直な所、欠点の多過ぎる出来だった。 特に長期戦前提で組まれたかのようなマップデザインにはゲンナリ。初期配置並の大量の増援が湧いたり、敵との戦闘を回避してクリア条件を達成したら、残りの敵を全滅させるのが条件に入れ代わったりなど、嫌でも戦いを長引かせようとする設計が成されていて、楽しいというよりも苦痛でならなかった。 しかも、これが序盤から展開されるというのだから尚更辛い。さすがに中盤以降ほどの酷さは無かったけど、それでも複数の敵を巻き込める技が一部のユニットしか習得してない状況下で、一体一体の敵をプチプチの如く片付けていくのはもはや苦行。中盤から敵の数を増やすのは分かるのだけど、序盤からそんな風な設定を施すのは違うだろ、と。本当、そういうマップの密度を高める狙いでクリアまでの時間を長引かせようとする手法は安直というか、もう少し工夫のしようがあるだろと突っ込みたくなった。 長期戦になるマップ、単騎決着できるけどそれなりの戦術が求められるマップとか、もっと緩急を付けるべきだったと思う。そうすれば、メリハリのある楽しい内容になってただろうし。そういう工夫がなく、安直なレベルデザインになってしまってたのが残念でならない。 また、マップ自体もプレイヤーに長い移動を強いる箇所の多さ、仕掛けの乏しさが気になった。というか、何だか全体的に左右対称の個性に欠けたマップが多かったような。防戦ポイントとか、敵が密集しているけど避けられるとか、そういうただ倒すだけではない展開も入れて良かったような…。 攻略条件にしても『敵の全滅』が多過ぎ。一応、特定オブジェクトの破壊、ターゲットの撃破などもあったけど、それも途中で敵の全滅へと変更されたりなど、そんなに長期戦にしたいのかと突っ込みたくなった場面多数。新手の嫌がらせかと思ったのは言うまでも無い…。 戦闘システムにしても浅い。というか、ソロユニットはもう少し、組み合わせた際の変化を入れるべきだったのでは。能力値やスキル、戦闘開始前の掛け合い、クロスヒットの繋げ方が変わるだけでは物足りない。もっと必殺技が変わるとか、大胆な要素を入れても良かったと思う。その方が組み合わせを試すなど、遊びが広がってただろうし。どうにも全体的に宝の持ち腐れになってたような気がする。 基本的に技を連続で繋げていく戦い方が有効など、流れ自体にもワンパターンな所があり、後半からは作業化したし、個々のユニットを育成するにしてもアクセサリーの付け替え程度しかないなど、何か一歩足らずなまとめ方になってた感じ。育成に関してはフリーマップかレベリングモード等、あっても良かった気がするんだが…。 とにかく、色々と詰めが甘い作りだったのが残念。様々なキャラクターが集う、いわばお祭り作品でもあるから、難易度設定が大味であるのはまだ許せたけど、それ以外が至らな過ぎた。やり方次第では化けそうな所もあっただけに、もっと作り込んで欲しかったな…。 プレイヤー側に精神的負担を与えないように配慮した上で。 ≪お祭り&宣伝ゲームとして≫ 逆に参戦作品のプロモーションを兼ねたゲームとしての内容は申し分なし。長期戦になりがちなのは褒められないけど、各作品のキャラクターにしっかり見せ場を設けたシナリオの構成と豊富な小ネタの数々には、原作に対する深い理解と愛に満ち溢れてた。 驚いたのは一部の作品において原作だけでなく、漫画などのメディアミックス商品のネタまで仕込んでいたこと。原作の再現だけでも十分過ぎるほどなのに、そんな所からも引っ張ってくるとか、いい意味でやり過ぎだと思った。 また、戦闘における演出全般も凄かった。必殺技のアニメーションは敵側も含め、見ているだけでも爽快で気持ち良かったし、中には思わず同調して技を(小声で)叫びたくなるほどのものもあったほど。リュウとケン、エックスとゼロ、ゼンガー辺りは実際に何度かやってしまった(笑)。 更にそう言った演出周りとシナリオでの見せ方が良かったのもあり、幾つかの原作未経験の作品には強い関心を抱いた。中には見せ場の少ない作品とかもあったけど、そこも掛け合いでフォローするなど、しっかり存在感を出す配慮が施されてたのも見事。 ただ、肝心のシナリオ自体は正直、面白いとは言い難かったように思う。 どんな話だったか全然、記憶に残ってないというか、特定の作品をクローズアップした展開ぐらいしか印象に残ってない。一部、描写に疑問符が付く作品もあったのも引っ掛かった。 でも、一番シナリオでどうかと思ったのは主人公は誰なのか、という事だけど。 何か、最初と最後以外、全然見せ場が無かった気がするんだけど、あれはどうなんだろ…。 各作品を目立たせる事自体は決して悪い事ではないけど、折角のオリジナルキャラクターなのだから、もう少しひいきにしても良いんじゃないのかと思った。 まあ、この辺は加減が難しかったのかもしれないけど…。 ≪個人的に強い興味を抱いた参戦作品≫ 今作をプレイして強い興味を抱いた作品に関し、あれこれまとめてみるなど。 ■ゴッドイーター(ソーマ&アリサ、リンドウ) 今作の中で一番興味を惹かれたのが彼ら。ユニットとしての性能も良好で序盤は主力として活躍してくれたほか、アクション全般がなかなかカッコよく、良い意味で荒唐無稽で、原作ではどうなっているのか、知りたくなった。 で、只今、体験版だけど原作(バースト)プレイ中。 そして、今作がストーリーのネタバレを大量にやっていたのを知るという(汗)。 真っ白な状態でのプレイで無くなってしまったのは地味に残念だった。。。 ただ、ゲーム自体が結構爽快で楽しいので、概ね満足してる。スローテンポで進めているので、製品版購入はまだだけど、今月中には何とか確保したい。 ■エンドオブエタニティ(ゼファー&リーンベル、ヴァシュロン) ゴッドイーターに次いで惹かれたのが彼ら…というか、ヴァシュロンが酷かった(※褒めてる)。あと、戦闘での動きの荒唐無稽さも原作に対する興味を抱かせた。 このゲームは発売前のPVにおける、若本規夫さんの珍妙なコメントがやたら印象に残ってるだけなので(汗)、是非、実際に調べてみたい所…だったのだけど、何かプレイ時間が長そうなのと、出演声優一覧を見て引っ掛かりがあったので、当面見送り。 でも、いつか必ずチャレンジしたい。 ■サイバーボッツ(デビロット姫) 技が無茶苦茶過ぎたのと、「また来週~」の台詞が妙に印象に残ったキャラクター。 カプコンの格闘アクションは大体、把握してたつもりだったけど、これは全然知らなかった…。調べたら原作はアーカイブズで配信中だったので、早い内にDLと行きたい。 ■スーパーロボット大戦OG(ゼンガー) ゲーム以上にゼンガーというキャラそのものに強い関心を抱いた(笑)。 何というか…技にせよ、キャラクター付けにせよ、全てが濃いというか何というか。 というか、あの見た目で29歳ってどういう事なの…。 ■シャイニングフォース イクサ(トウマ&シリル、リームシアン) コンビの描写が印象に残った。凸凹関係の王道を走っていたというか。 あと、ライバル役としてリームシアンが味方を洗脳する際にやってた行動が大胆極まり無かったというか…それで原作のCEROがAってどういう事なんだ、と。。。 原作もアクションRPGで、開発がネバーランドカンパニーとの事で非常に気になる。 まだ新品が出回ってるらしいので、見つけたら確保しておきたい。 ■ヴァンパイア(デミトリ、モリガン、レイレイ、ザベル、ジェダ) これは前々から興味があったけど、今回、登場キャラクターのより詳しい設定などを知る事で、更にそれが増した。というか、悪役を含めて本編で一番、目立ってた作品だったかも。既にHDリマスターの発売が決定済みという事で、そちらで挑戦してみようと検討中。 ■デッドライジング(フランク) 何故、小山力也さんは三枚目キャラを演じるとこうもネタ臭が強くなるのだろうか…。 それはさておき、この人は本当にジャーナリストなのかよと突っ込みたくなるキャラクターだった。原作での暴れっぷりが気になって仕方がない。 360が無いので、『ゾンビのいけにえ』(Wii版)の方をチェックしてみようかと検討中。 ■ナムコクロスカプコン(零児&小牟、沙夜) やたら火力に秀でた性能、小牟の小ネタ乱舞が強烈過ぎた。 また、今作の登場キャラの中で、最もテーマ曲が印象に残ったのも彼ら。 これの原作は今作の前作に当たるというけど、何だか相当な覚悟が要るゲームであるらしいのが引っ掛かるというか。他に出演している作品があるので、そちらをチェックしたい。 ■ゆめりあ(ねねこ&ネイト) なーのだ♪なーのだ♪なのなのだ~♪ ≪逆に扱いが気になった参戦作品≫ 例によって、扱いに違和感を覚えた作品もあった訳で。 ■戦場のヴァルキュリア3(クルト&リエラ、イムカ、セルベリア) 今作の中で最も見せ場に恵まれない作品だった気がした。 ワルキューレと組ませたのが間違いだったとしか(汗)。 また、それ以外でも原作ネタ全般に違和感を覚える部分が沢山あった。 イムカが妙に饒舌だったり、原作だとネームレスとは少ししか関わりがないセルベリアがライバルキャラにされてたり、そのセルベリアと微塵も関連性の無い巨大戦車『エヒドナ』が一緒に現れたりと、それはおかしくないか?と突っ込みたくなる部分が多数。 何か、全体的に扱いが雑だった気がした。元々、ヴァルキュリア3のシナリオって外注製作なのだけど(※1と2はセガ内製)、設定の検証とかが十分に行われなかったのだろうか。 というか、エヒドナはあれ以降、何処へ? 思えば、最初出てから全く出番がないまま終わったような…。 また、周りのキャラクターが濃いのもあってか、正統派な彼らはインパクトに欠けてた。この面子に混ぜる(言い方を変えると、対抗させる?)ならやはり1のウェルキン&アリシア、そしてサポートにイーディを出すのが良かったように思う…。 ■ワルキューレの冒険(ワルキューレ) 上記、ヴァルキュリアの見せ場を喰ってたのがどうかと思った。 面白いキャラではあったけど(笑)。 ■ロックマンX(エックス&ゼロ、VAVA、アイリス) 参戦遅過ぎ。 彼らが登場するという理由で今作を買った身にとっては、出てくるまでが苦行同然だった。 参戦以降、沢山見せ場が用意されてたのがせめてもの救い。 特にアイリスのエピソードは、原作を知る人間も納得の素晴らしい内容だった。 でも、ネタバレになってしまうけど、シグマが最後まで登場しなかったのは残念だ…。 ■ストリートファイター(リュウ&ケン、春麗、ジュリ、セス) 何か春麗の性能が冷遇気味だったのが引っ掛かった。ストーリーはまだしも、戦闘は最後の最後まで、僅かな活躍に終始するキャラクターに落ち着いてたというか。 リュウとケンは概ね良かったのだけど。 あと、ベガ未登場は残念。 アナゴさん(若本規夫)ボイスを堪能したかったです。(ボソッ) ≪適当に総評≫ これだけ多くの作品を一つにまとめ上げたのは凄いの一言に尽きる。けど、シミュレーションRPGとしては褒められない部分の多い作品になってしまってたのが残念だった。 駄作ではないけど、良作でもない。佳作と言ったところかな…。本当、楽しかったというより疲れたの方が率先して口から漏れる内容だったので、もう当分、やる事はないと思う。 とは言え、この作品を通してそれまで詳しく知らなかったゲームに対する興味が増したのは大きな収穫。それだけでもプレイした価値は十分過ぎるほどにあった。 なので、今後は強い興味を抱いた参戦作品に一つずつ挑戦していこうと思う。 そんな訳で、ゴッドイーターの続きに行ってきます。
by box057
| 2012-11-17 21:23
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