2012年 05月 12日
ここ最近崩した積みゲーの感想その2。
◇極限脱出ADV 善人シボウデス(3DS) チグハグ感が否めない作品だった。 体験版の時点で感じていた事だけど、今回の脱出パートの操作性は悪過ぎ。タッチできる場所の当たり判定が異様に狭く、キー操作に至っては360度自由にチェックできるようになった事で煩わしさが上昇とか、とにかく動かしていてストレスが溜まるばかりだった。 一応、ある程度慣れてしまえば気にならなくはなるが、前作でもお世辞にも良くなかった操作が続編で更に悪くなるとかあり得ないにも程がある。Vita版とのマルチ製作が影響したのだろうが、せめて当たり判定周りはもっと大きくするなりして欲しかったな。 脱出パートの出来自体は抜群に良く、適度に頭を悩ませる絶妙な難易度設定がお見事。ルートごとに違う謎解きを設け、周回プレイが苦にならないレベルデザインも凄く良かったし、再プレイを速やかに終わらせるパスワード方式によるショートカットも前作の欠点を改善していて素晴らしかった。フローチャート導入による、ルート攻略の敷居の低下も申し分無し。これで操作性が良ければ、文句無しの出来になってたのだが…。本当、詰めの甘さがその可能性を摘み取ってしまっていたのが残念でならない。 また、ストーリーも今回はディレクターである打越さんのカラーが強く現れ過ぎてたのが少し気になった。内容自体は素晴らしく、特に氏の十八番である最終ルートにおける真相解明劇は今回も見応え、衝撃性共に抜群で、引き込まれるものがあった。 ただ、全体的にテキスト周りが回りくどくなり過ぎ。随所で長い解説や語りが挟まれ、読み終えるのまでに異様な長時間を要するなど、何か本来の主役である脱出パートを完全に食う存在感を放っていたのは凄く気になった。前作も前作で長い解説が挟まれたりしたが、テキスト自体がそんなに回りくどくなく、読んでいて苦になる事は全然なかった。また、それがゲーム全体のテンポの良さも演出していた。なのに何故、今回は真逆の方向に行ってしまったのだろう。一部、明らかに無駄に引き伸ばしてるとしか思えない場面もあったし(特にルナルートの乱入者)、本当に今回はバランスの悪さが際立ってたように思う。願わくば、前作と同じ位のテンポでまとめて欲しかったな。 あと、あんな締めをした以上は絶対に続編を出してください。これで出さないとかになったら生殺しも良い所なので本当にお願いします。。 そしてもう一つ、宣伝周りの事になるけど、999の続編という事は大きくアピールすべきだったと思う。そもそも四葉が出る時点で大体予想はついてたけど、思いっきり999の続編だったし(四葉以外にも数名、前作キャラが出てくる上、前作の一場面も登場する)。なので、今後今作をプレイする予定の方は絶対に999を遊んでおくように、と大声で言っておく。正直、知っているか知っていないかで面白さにかなりの違いが出る。 その他、発表当時から賛否を呼んだ3Dモデルに関しては特に不満は無し…だが、できればキヌさんの絵で遊んでみたかったと思ったのも事実。システム周りに関してはスキップ機能が大幅に進化してたけど、切り替える際に二回ボタンを押さなければならないというのは止めて欲しかった。エリア移動の際に挟まれる移動デモもテンポが悪くてイライラしたし、ボイスを消すオプションが搭載されてないのも不親切な印象が否めず。 とにかく、総じて完成形になる可能性を見せながら佳作で終わったという、非常にもどかしい作品だった。ストーリーで大いに楽しませてくれたので満足はしたけど、個人的には前作の方が好きだったかな…。何にせよ、エンディングで続編のフラグが立っているので、仮に作る事になった暁には今回上がった欠点は完全に修復し、今度こそ正当進化系と言えるだけの内容に仕上げて頂きたい。今度こそ三度目の正直で頼みます。 それにしても、●●●が出てきた一方で●●●は何処へ行ってしまったんだ? その辺も続編で語られるのだろうか。 ◇12RIVEN -the ψcliminal of integral-(PSP) ストーリーの難解さと一部登場キャラクターの矛盾した行動によるモヤモヤ感が強く残った作品だった。正直、真のエンディングを迎えても結局、どういうストーリーだったのかがイマイチ理解できなかった。今は一通り整理した事で大体把握したけど…。 ただ、ストーリー自体のアイディアと演出は面白かった。二人の主人公ごとのルートを設け、各パートに登場するキャラクターのデザインを画風の異なる二人の御方に担当させ、それに確かな意味を持たせた作りはさすがの一言。インフィニティシリーズの系譜に連なる作品だけにある独創性の高さが際立つストーリーだった。画風の異なるデザイナー二人が手がけている為、両方のパートで登場する同じキャラクターが露骨過ぎるぐらいに別人になっているのには少々違和感を覚えたりもしたが。しかし、それがストーリー全体の不気味さを引き立てており、一体何が起きているのかと、プレイヤーに強い関心を抱かせる要素として機能していたのは面白いと思った。 でも、繰り返しになるけどストーリーの中身が複雑過ぎたのは大きな難点。主に時間経過周りの描写が複雑で、全体像を把握するに当たってメモで時系列を作らないと分からないのはどうかと。真のエンディングルートこと、真相究明ルートもその複雑さも相まって、少しでも時系列を理解してないと置いてきぼりを食う事が多々あったし、せめてあらすじのまとめとか、そういうのを個別に用意して欲しかった。Never7、Ever17(※いずれもPSP版)にはあった用語集も無いし、どうにも今作はサポート周りが甘い。 また、今回はあらすじの時点で「何かが起こる」という描写が成されている都合で、真相解明ルート自体の衝撃が弱いのもちょっと物足りなさを覚えた。一応、本編にも結構用意されているけど、もっとプレイヤーを混乱させたり、圧倒させる描写を設けても良かったと思う。まあ、こればかりはあらすじと設定の都合で難しいものがあったのだろうけど。 そして、キャラクター。ちょっと全体的に行動面で矛盾するキャラクターが数名居たのが引っ掛かった。特に冥とか、序盤であんな事をしながら終盤で間逆のオチに転ずるとか、さすがに納得できない。また、ヒロインであるミュウも言動的に好感の抱けないキャラクターになってたのが引っ掛かった。「ありんちょす」の破壊力は相当なものだったが(笑)。 元々、インフィニティーシリーズの登場キャラって一癖も二癖もある面子が多いけど、それにしても今回のは行き過ぎてたように思う。性格的に癖は無いけど、解説し過ぎなマイナも終盤には随分印象が悪くなってたし。本当、何だかなぁ…としか言い様が無い。 他にシステム周りでも、クイックセーブがNever7、Ever17とは違って60個にまで減少し、微妙に使い難くなっていたり、スキップがボタン押しっぱなしで発動する仕様になるなど、明らかな劣化が目立ったのが気になった。それでも合格点の出来ではあるのだけど、Never7とEver17が一際優れていただけにどうしても気にしてしまうものがあったな。用語集非搭載もそうだけど、もっと今作の前に出た二作を意識して欲しかった。 (※Remember11も実装されているようなので、正確には三作なのだけど) 総評としてはそれなりに面白いけど、好みの分かれる作品と言ったところか。悪くはないのだけど、モヤモヤ感の否めない内容だった。結局、最後までプレイして完全に理解し切れなかったので、再度やり直してみるべきなのかもしれないな…。 とりあえず、時間ができたら、また一から始めてみよう。 しかし、ストーリーの時代設定が2012年の今月(5月)とか、今までプレイせずに積んでいたのは正解だったのかね。。。何かプレイしていて妙に現実味があったし。というか、現実の5月21日(金環日食の日)にはさすがにエクリプス計画なんて発生しない…よね。。 あったらあったで凄過ぎるんだけど。。 ◇家族計画(PSP) 長い!長過ぎる! 長編という話は耳にしていたけど、まさかこんなに長いとは思いもしなかった。 本当に徹夜するハメになって地獄のような苦しみに襲われましたよ…。 しかし、長編とは言えそのストーリーは非常に面白かった。様々な問題を抱えた一癖も二癖もあるキャラクター達が家族として生活するというぶっ飛んだ設定もさる事ながら、それを最大限に活かした展開と生々しい描写の数々には思わず引き込まれるものがあった。また、設定面では凄く重い所がありながらも、本編では沢山ギャグを挟むなど、プレイヤーに負担をかけ過ぎず、ダレさせないとする入念な配慮が凝らされていたのも見事。さすがに終盤はシリアス一辺倒な感じになるけど、そう言ったバランスの取れた作りになっていた事もあり、読んでいて全く退屈しなかった。もの凄く長い話でありながら、全然モチベーションが下がる事無く楽しめたのは本当に驚き。如何に今作のストーリーが作り込まれているか、また緻密な計算に基づいて作られているのかというのを実感させられた。 ストーリーに関してはバランスの良さだけでなく、登場キャラクター達の癖の強さも際立っていた。中でも主人公を振り回す存在であり、ギャグ担当でもある広田寛こと高屋敷寛!あのキャラクターのおかげで今作のストーリーは全然退屈しないものになっていたと言っても過言ではないほど、存在感がずば抜けてた。また、この寛役であるご存知”アナゴさん”こと若本規夫さんの演技も面白過ぎ、というか破壊力あり過ぎ。この若本さんの熱演(怪演)も、只でさえ長いストーリーにおけるアクセントとして効果的に機能していたように思う。一部、さすがに悪ノリし過ぎじゃないのかと思う所もあったが、それが終盤の漢過ぎる一面を際立たせていたのも事実で安易に否定できない。他にもキャラクターでは結構常識人な主人公とその勤務先の上司を始め、魅力的な面子が多数居たけど、本当にこの高屋敷寛の存在感とカッコよさは突出していた。こんなキャラクターに出会えただけでも、今作をプレイして本当に良かったと思う。 また、真のエンディングルートがない構成も個人的には好印象。1周が凄く長いという内容でこれは有り難かったし、何よりも全員のキャラクター(ヒロイン)を救えないというのが基本設定の重さを際立たせていて素晴らしかった。これで真エンドがあったら、酷いご都合主義作品で終わってたと思う。Wiiの『タクトオブマジック』のような、結局は救われない人や世界があると訴えかけるその結末には色々考えさせられるものがあった。 ただ、自分が迎えた結末が色んな意味で犯罪的なものになってしまったのは…(汗)。別に狙った訳じゃないのに、どうしてああなったんだ…。 何はともあれ、総評としては傑作と称されるのも納得の内容。凄く長かったけど、それに見合った満足感と感動を味わえた素敵な作品だった。 ただ、一方でシステム周りの作りが荒かったのだけは残念。露骨な誤字、フリーズバグなど、しっかりデバックしていないのがバレバレ。特にフリーズバグはいかんでしょう…。また、元々ストーリー重視だから仕方が無いとは言え、途中から読むだけになってしまうのも気になった。もう少し、分岐があったりすると良かったかも。 でも、最大の難点は何と言っても長さかも。1ルートだけでも20時間以上はかかるし、ギャグも面白いとは言え、好みが分かれる。合わない人にはとことん合わないので、まず万人向けの作品ではないというのは否定できないな。 それでも悪い作品ではない。人を選ぶけど、凄く読み応えのあるストーリーを楽しみたいという方はプレイしてみる事をお薦めする。ちなみに今作は他にPS2版もあるけど、そっちはこのPSP版のようなバグが無い…らしいので、遊ぶならそっちが良いかもしれない。 というか、今ではベスト版が流通しているが、そちらではバグ全般が直っているのだろうか?もし、直っているというのなら買い直しを検討したいところだけど…。
by box057
| 2012-05-12 22:16
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