2016年 06月 23日
ロクヨンこと、NINTENDO64(ニンテンドウ64)の発売から、今日で20年の月日が経ってしまった。スーパーファミコンに次いで、このゲーム機まで20歳とは、改めて時間の流れの速さと自分自身の老いを痛感させられる…。 スーパーファミコン同様、これも個人的に直撃世代のハードだった。だが、振り返ってみると、新しいゲーム機は発売から間もない時期に買ってはいけないと教え込まれる原点になったハードだったように思う。今でこそ数多くの傑作に出会えた名ゲーム機としての印象を確固たるものにしてるけど、買って間もない頃はとにかく酷かった。 自分が本体を買ったのは、発売から1ヵ月ほど経った1996年の7月。 マリオの新作が出ること、そして発売前当時、スーパーファミコンが主流ハードだったから、次はこれが主流ハードになるのだろうという安易な思い込みから決めた。同時購入は言うまでもなく、『スーパーマリオ64』。このゲーム自体は本体を買う前、全国のデパートや玩具屋等に設置されていた試遊台でしつこいぐらいに遊んでいて、フル3Dの箱庭空間を自在に動き回れる斬新なゲーム性に虜にされてた。そんなゲームがようやく自宅で遊べるようになるという事で、買った当時は随分と興奮してた覚えがある。 けど、結果的に自分はその後、NINTENDO64の購入を激しく後悔した。 第一に深刻なソフト不足。 同時発売された『スーパーマリオ64』、『パイロットウィングス64』、『最強羽生将棋』の次に何のゲームが来るのかが一向に発表されず、買った当時が夏休みだったのもあってマリオ64もあっという間にやり尽してしまい、遊ぶゲームが無くなってしまった。穴埋めで、父親にねだって『パイロットウィングス64』を買ってもらいはしたけど、これも長持ちせず。気が付けば、スーパーファミコンのゲームを遊んでいる自分がそこに居る始末。その姿を見た親から、「何で買ったんだよ」と突っ込まれたのは言うまでもなく、自分自身も「どうしてこうなってしまったんだ…」と思うばかりだった…。 第二に件のスーパーファミコンが現役を続行してたこと。 最近の任天堂は据え置き機の新ハードが出たら、前世代のハードのゲームは直に切り捨てるようになってしまったけど、この頃は前世代のハードでも継続して新作ソフトを発売し続けていた。しかも、この年には『スーパーマリオRPG』、『星のカービィ スーパーデラックス』、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』、『ルドラの秘宝』、『スーパーボンバーマン4』等の話題作に加え、ロクヨン発売後にも『スターオーシャン』、『エナジーブレイカー』、『牧場物語』、『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』、『マーヴェラス もうひとつの宝島』、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(※リメイク版)』等の注目作が続出。なので、「もしかして、まだ買わなくて良かった…?」と、早過ぎる判断を下した事に戸惑いを覚えた。 そして決定的な一撃となったのが、第三のロックマンシリーズの新作『8』がプレイステーション、セガサターンで発売されるのを知った事。それも、ロクヨンを買った後に。当時も今も大好きなロックマンの新作が持ってないゲーム機で発売される。当然ながら、これを知った時にはとてつもないショックを受けた。「どうしてそっちで出るの?」…と。けど、いずれロクヨンでも出るんでしょ、とその時は希望を持ってた。だが、雑誌を調べていく内にロクヨンのROMカセットではアニメムービーが入らない、そもそもドット絵の2Dアクション自体が無理と分かっていって意気消沈。挙句の果てには『ロックマンX』の新作までそちらで出ると告げられて、失意のどん底に叩き落とされるに至った。 既に当時は、ファイナルファンタジーの新作『VII』がプレイステーションで発売される事が報道されており、市場の風向きはNINTENDO64ではなく、プレイステーションに傾きかけてた。ファイナルファンタジーにまるで関心が無かった自分は完全スルーで、それでも結局はロクヨンが主流になるんでしょ、とか考えて購入に至ったのだが…ロックマンも出ると知ってがく然。だったら、直にでもプレイステーションかセガサターンを…と思ったけど、当時は今と違い、自分の意志でゲームを自由に買えなかった頃。親からもイタズラにゲーム機は増やすなと言われていたので、見送り以外の選択肢は選べなかった。 今でこそ『ロックマン8』と『ロックマンX4』は手元にあるだけでなく、プレイステーション本体も所持する身になったけど、本当、この時は「ロクヨンなんて買うんじゃ無かった!!」と泣きたくなるほどに思った。おかげで当時、ロックマンの話題を共有していた仲間の輪からは外されて孤立するわ、新作の話題に入って行けないわと学校に行く度に辛い思いをし、自分自身が下した判断に対する苛立ちを募らせる日々を過ごす羽目に。FFVIIが発売されて大ヒットし、プレイステーションが完全に次の主流ハードになってからは、ますます、クラスの休み時間内で繰り広げられるゲーム話の中に入って行けず。 それでも、マリオ64やマリオカートやりたさに何人かが家に訪れて盛り上がるなど、楽しい事もあったのだけど、個人的にはロックマンシリーズの不本意な別離を強いられたのがトラウマで、この頃は嫌な思い出しか残ってない。 これまで、色んなゲーム機を買っては楽しんできたけど、このロクヨンほど、新しいゲーム機を買った事を激しく後悔したのは無かったように思う。 しかし、別れあれば新たな出会いあり。 97年以降からはユニークな新作ソフトが出てくるようになった。 その中でも、『スーパードンキーコング』シリーズでお馴染みのレア社が製作したゲームは、どれもこれも「ロクヨンを買って良かった」と心底思わせてくれるものばかりだった。 特に1997年8月に発売された『ゴールデンアイ 007』は、その面白さだけに留まらず、自分の人生にも極めて大きな影響を与えた名作。 四人対戦の熱さはその頃、接待ゲームとして定着してた『マリオカート64』を引き摺り降ろし、お役御免にしてしまうほどで、それが同級生の間で大きな評判を呼び、彼らが自分の家に来訪しては、その対戦で盛り上がりまくった。 発売から1年近く経ってからは固定メンバーが毎回来るようになり、日々、どんちゃん騒ぎになってたのが懐かしい。新たな友人関係が構築されるなど、コミュニケーションツールとしての役割も果たしてくれるなど、本当、凄まじい活躍ぶりだった。 また、当時は映画と言ったらアニメ、実写なんて見るに値しない…という酷い偏見持ちだった自分に007シリーズというユニークな実写映画が存在するという事を教え、それにハマるきっかけも今作は作ってくれた。もし、このゲームに出会ってなかったら、今もその頃の偏見を持ち続けたままだったんじゃないのかと、自分自身の視野を広げる役割も果たしてくれたのは本当に有り難い限りだった。 当然ながら、このゲームを買った時は思った。 「やっぱり、ロクヨンは買って大正解だった!」…と。 四人対戦での沢山の思い出、実写映画に対する偏見を消滅させるきっかけを与え、現在も続く007シリーズとの付き合いを作ってくれた今作には感謝してもしきれないし、これからも大事に手元に残し続けていきたいところです。 ゴールデンアイばかりでなく、レア社の作ったゲームは『ブラストドーザー』、『ディディ―コングレーシング』、『バンジョーとカズーイの大冒険』シリーズ、そしてゴールデンアイの続編的作品『パーフェクトダーク』など、どれもこれも面白いものばかりだった。今や任天堂との関係は無くなってマイクロソフトの傘下になり、社内のメンバーも変わって別の会社と化したレア社だけど、この時ほど彼らが輝いた時代というのは無かったように思う。本当、こんな事言うのも歳を取った証も同然だけど(汗)、この頃は良い時代でした。そして、レア社なくして、自分の中のロクヨンの対する評価が一変する事も無かったように思う。そういう意味でも、足を向けて寝れません。別会社になった今もなお。 また、ロックマンとの別離はあったけど、当時、それと並ぶぐらい好きだった『がんばれゴエモン』、『ボンバーマン』の二作はロクヨンにも新作を出してくれた。特にゴエモン(ネオ桃山)は、コナミの本気が炸裂した作品になってて、本当に満たされる思いでした…。でろでろは現役を退いた後に中古で買ったのだけど、これも大変な傑作でございました。 ロックマンも一応、2000年になって移植タイトルではあるけど、『ロックマンDASH 鋼の冒険心』を出している。けど、ロクヨンの3Dアクションに手慣れた自分にとって、DASHの操作は到底受け入れられず、遊ぶ気力が失せて挫折。後にプレイステーションポータブル版でリベンジしたけど、この頃は別離のショックもあってなのか、ロックマンに対する興味が異様に失せてたように思う。(これの二年前に8の突然のハード移行を詫びる新作『ロックマン&フォルテ』』も出てたが、食指は伸びなかった…) あと、この時代には「もう、ゲームなんて止めよう」と思う瞬間もあった。1998年11月21日に発売され、世界的にロクヨンを大いに活気づけた大作『ゼルダの伝説 時のオカリナ』がまさにそれなのだけど…当時としては広大なフィールド、濃厚な構成のダンジョン、豪華な演出にこれからのゲームって、こんなのばかりになっちゃうのという絶望と恐怖を感じてしまって…(汗)。たった一本のゲームを遊んだだけでそんな事を考えるなよと突っ込みも御尤もだけど、自分にはゲームについていく気力を失わせるゲームだった。今も大作系の作品って苦手意識が強いのだけど、その基になっているのが今作。世間一般では歴史的な名作と言われてるけど、自分にはちょっとしたトラウマゲーなのです。なので、これを遊んで以降は今後のロクヨンの展開に対する興味も酷く薄れてしまってたな…。 けど、初代スマブラとマリオパーティを遊んで、大作ばかり出る訳じゃないと教えられて気持ちも持ち直し、以降も色々なゲームを遊んだ。 特に2000年代は素晴らしく、この頃に出た『罪と罰』には色々と驚かされました。また、『時のオカリナ』のショックを引き摺っていた中で遊んだ『ムジュラの仮面』も自分にはマッチして、コンプリートまで遊び込んだのがいい思い出。ただ、ゲーム自体を買ったのは1年後で、そこまでは友人のデータで遊ばせてもらってた感じなのだけど。 他にも、何となしに買ってみたら意外に面白かった『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版』、友人に遊ばせてもらって、異様に強いミュウツーがやたら印象に残った『ポケモンスタジアム2』とか、思い出深いタイトルは幾つかある。 購入して間もなくあったロックマンシリーズとの別離など、購入当初は本当にもの凄く後悔したゲーム機だったけど、振り返ってみると、今もなお記憶に深く刻み込まれ、且つ自分の趣味を広げるゲームにも出会えた最高のハードだったように思う。 同時に任天堂、レア社に対する絶対的な信頼を得たハードでもあった。これが後のゲームキューブの早期購入にも繋がるのだけど…それは別の話。 今や、バーチャルコンソールで一部のロクヨンのゲームは現行機でも遊べるようになってるけど、出ているのは任天堂のゲームがほとんどで、サードタイトルが皆無に等しいのが惜しまれる(唯一、『ボンバーマンヒーロー ミリアン王女を救え』がWiiで配信されているけど、これは正直、お薦めできたものではない…)。 どうしてこういう状況が今もなお続いているのかが謎で仕方がないし、ロクヨンで発売された任天堂のゲームは確かにほとんどが傑作ではある。 けど、サードから発売されたゲームにだって先に挙げたゴエモンやヒーロー以外のボンバーマンなど、傑作はある。そういうものが現行機で遊べない現状ってどうなのかと。WiiUの今でもその状況が改善される事も無く、継続し続けているのには凄いもどかしさを覚えるばかりです。なので、いつかその配信が実現しないかなと。任天堂のゲームだけしかない、それ位しか良作、傑作が無いというゲーム機じゃないのだから、それが知れ渡る瞬間が早く来て欲しいなと、切実に思うばかりのこの頃です。 で、最後に個人的なロクヨンタイトルのベスト5を挙げてみる。 ■ゴールデンアイ007(発売元:任天堂、開発元:レア) ベスト1は何と言ってもこれです。昨今のFPSとは異なり、操作性は非常にシンプルだけど、それ故の取っ付き易さと映画『ゴールデンアイ』を忠実に再現したステージ構成とストーリー、自身の本性が白日の下に晒される超白熱必至の対戦プレイが魅力の傑作。続編に当たる『パーフェクトダーク』も良く出来てるけど、オプション周りに凝り過ぎてる所もあるので、極力、シンプルに作られた今作の方が個人的には好き。 残念ながら、権利関係もあってバーチャルコンソール化は絶望的だが、ロクヨンを持っているのなら一度は遊んでみて欲しい要プレイの一本です。 Wiiのリメイク版もゲーム的には別物だけど、良い出来ですよ。 ■罪と罰 ~地球(ほし)の継承者~(発売元:任天堂、開発元:トレジャー) 『ガンスターヒーローズ』を始め、メガドライブで数多くの傑作を輩出してきたトレジャーと任天堂の初タッグによって制作されたアクションシューティング。ロクヨン末期を象徴する作品で、コントローラの形状を活かした独特の操作、ハード性能の限界を突き詰めたド派手な演出と驚異的なカメラワーク(主にステージ2-2)、初心者から上級者まで幅広くカバーした難易度、謎が謎を呼ぶストーリー等、一度遊んだら忘れられない強烈な体験を提供してくれる一本。バーチャルコンソールでも配信中。キーコンフィングが可能な都合から、これから遊ぶのならWiiU版が最もお薦めです。 ■ゼルダの伝説 ムジュラの仮面(発売元:任天堂) 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のゲームエンジンを継承する形で製作された新作ゼルダ。三日間を何度も過ごすという他に類を見ない奇抜な本編構成とゲームシステム、ミステリアスな世界観とストーリー、小さいけど濃厚で歯応え満点の難易度とボリュームで魅せる力作。個人的にはロクヨンのゼルダと言ったら、オカリナよりもこちらを選ぶ方。難易度が高め且つ、任天堂らしからぬ突き放した作りではあるけど、この刺激的な冒険は今作でしか味わえないものがある。Wiiでのみ、バーチャルコンソールで配信中。WiiUでも来週6月29日から配信が始まる模様。また、ニンテンドー3DSで様々な変更と改良を施したリメイク版も発売されている。多少、中身に違いはあれど、どちらもお薦めです。 ■ブラストドーザー(発売元:任天堂、開発元:レア) 先も紹介したロクヨンにおけるレア社の処女作にして、危険な化学物質を積載したトレーラーの進路を確保すべく、行く手を阻む建造物を御意見無用・突っ込み上等で破壊していく豪快な設定とゲームデザインが光るアクションゲーム。シンプルながらも一筋縄ではいかない練り込まれたステージ構成とその物量、恐ろしく骨太な難易度、派手な演出が特徴。残念ながら、権利関係もあってバーチャルコンソールでの配信は望めそうにないが、XboxOne用ソフト『レア・リプレイ』に今作が収録されている。現行機で遊ぶのならこちらで。但し、日本語ローカライズがされてないので念の為。 ■ゆけゆけ!!トラブルメーカーズ(発売元:エニックス、開発元:トレジャー) 先の『罪と罰 ~地球(ほし)の継承者~』を開発したトレジャーによる、NINTENDO64初の横スクロールアクションゲーム。敵を掴み、振って投げるという単純ながらも一筋縄ではいかないアクション、盛り沢山過ぎるステージ、妙なノリと熱さに満ちたストーリーなど、唯一無二の個性を秘めたやり応え十分の良作。2Dアクションという事で、十字キー操作で遊べるというのも魅力の一つ。また、ボイスもふんだんに使われており、敵の三幹部(またの名を三馬鹿)を演じるのが大塚芳忠、大塚明夫、堀内賢雄という大御所ばかりなのも見所?残念ながら、バーチャルコンソールでは未配信。 個人的にはサード製タイトルの中で最も配信を望む一本でもある…。 他にも『がんばれゴエモン ネオ桃山幕府の踊り』とその続編に当たる『がんばれゴエモンでろでろ道中 オバケてんこ盛り』、『爆ボンバーマン』、『スーパーマリオ64』、『64トランプコレクション アリスのわくわくトランプワールド』辺りが挙がる。 通好みなゲームだが、『ウェットリス』なんてのも。 例によって、これらはバーチャルコンソールで配信されてないのだが…。 ゆけトラもそうだけど、任天堂以外のメーカーが出したゲームにも良作、傑作はあるので、そう言ったタイトルの配信も積極的に実施されて行って欲しいなと、常々思うばかりです。 特にゴエモンは本当に何とかして頂きたい。今や世界的にゲーム好きの間で嫌われ者になってしまってるコナミだけど、旧作の復刻に関しては素晴らしい働きを見せてるので、ここらで一発、かまして頂きたいところであります…! それに、ロクヨンにはまだまだ、興味があったけど買わずに終わったゲームも結構ある。そう言ったゲームも今後、積極的に漁っていきたいなと思うばかりです。最近は中古市場だと、ソフト単体しかお見受けられなくなりつつあるけれど…。 とにもかくにも、…NINTENDO64、20周年おめでとうございます!
by box057
| 2016-06-23 23:13
| 日記 / ゲームネタ
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